英語 倒置 法 |not everybody ~|ルールとニュアンス解説

英語 倒置 法 |not everybody ~|ルールとニュアンス解説

質問内容

I get not everybody could do that, but everybody’s not us.

映画を見てるとこの表現に遭遇しました。

日本語字幕は

「私たちにはできるでしょ」

となってました。

文法も訳も何でそうなるのか分かりません。

「not everybody」 は “nobody”  みたいな感じでしょうか? 

英語 倒置 法 が使われているのでしょうか?

解説をお願いします。

回答・解説

◆直訳は?

ずばりこの文の直訳は、

 

「皆がそれをできるわけではない事を私は理解できる、
でも私達は皆じゃないでしょ」

 

です

まずは文構成を説明していきます。

◆"I get" は分離して考える

質問頂いた文章の構成を解説していきます。

まず文頭の “I get” ですが、

“I get (that) + 節(主語+動詞の文)”

「(節)~である事は理解できる」

という意味になります。

この “that” 接続詞が隠れているんですが、
接続詞 “that”については下記の記事で詳しく解説しています。

that の用法 | 接続詞 | 文の中に小さい文(節)を組み込む、接続する | so that

 

 

“I get”それ以降の文を分離して考えると

 

Not everybody could do that, な事は私は理解できる

と言っている事が分かります。

 

◆ "not everybody" のニュアンス

本来、文中でnot が置ける場所はある程度決まっています。

・Be 動詞の後  (I am not~)

・助動詞の後  (I will not ~)

・do/does/did の後  (I do not ~)

などです。

そんなnot が文頭に置かれるのは、倒置と考えれます。

倒置(とうち)とは、言語において通常の語順を変更させることである。表現上の効果を狙ってなされる修辞技法の1つで、強調的修辞技法の一つである

※wikipedia 参照


not が文頭に置かれると

その後に続く文全体を「~という訳でない」

といった意味合いで否定します。

"not" が倒置されてる例文1
  1 .  倒置無し 肯定文

  ・Everybody could do that. 
 (皆それが出できる)

  2 . 倒置無し 否定文

・Everybody could not do that.
 (皆それができない)

  3 . notの倒置有り文

Not everybody could do that.  
(皆それができるわけではない)

※ “not” が、 “not”以降の文全体を否定しています。
※「出来ない人だっている」と意訳することも可能です。

"not" が倒置されてる例文2
  1 .  倒置無し 肯定文

  ・All Japanese people are rich. 
 (すべての日本人が金持ちだ)

  2 . 倒置無し 否定文

・All Japanese people are not rich.
 (すべての日本人が金持ちじゃない)

  3 . notの倒置有り文

Not all Japanese people are rich.
 (すべての日本人が金持ちなわけではない)

上記のように、

“not” が倒置されると、

その後に続く文全体を

「~という訳ではない」

という意味合いで否定します。

下記の記事では、
助動詞 “May” が倒置した場合の意味を紹介しています。

【スター・ウォーズ】 May the force be with you | 文法あってるの? | 意味は?

◆Nobody の用法は?

nobody” という単語は、

単体で「だれも~ない」

という否定の意味(~ない)を独自に持つため、

否定の意味をもつ別の単語である”not” と

一緒に使われることが少ないです。

一緒に使うと二重否定と呼ばれる現象が起きて、

意味がややこしくなるからです。

"nobody" の使用例

・Nobody could do that.   (誰もそれは出来ない)

※ “not” なしで既に否定文になってる

Nobody could not do that.  ✖(誰もそれはできないは無い)

※否定が2回発生していて、
意味的におかしくなっている

◆ "not nobody" は可能なの?

“nobody” と “not” は同じ否定を含む単語なので、

一つの文で一緒に使われる事が少ない(意味的におかしくなるから)

と書きましたが、

倒置を使うと一応可能です。(主流な表現ではありませんが)

"not nobody" の使用例
“nobody” の使用例

・Not nobody could do that.   (誰もそれができないわけではない)

※ “not” が、 “not”以降の文全体を否定しています。
※「できる人だっている」と意訳することも可能です。

◆not everybody と nobody | 違い

“everybody” と “nobody”を使った文の

意味合いを比較してみましょう。

"everybody" と "nobody" の例文比較
  1 .  倒置無し 肯定文

  ・Everybody could do that.  (皆それが出来る)

  ・Nobody could do that.  (誰もそれが出来ない)

  2.  倒置無し 否定文

・Everybody could not do that. (皆それが出来ない)

・✖Nobody could not do that. ✖(皆それが出来ないはない)

  3.  not の倒置有り 文

Not everybody could do that.  (皆それが出来るわけではない)

Not nobody could do that.  (皆それが出来ないわけではない)

◆ 字幕 意訳の解説

質問頂いていた文章の訳ですが、

ここまでの解説で文の前半部分が下記の訳になる事は

理解いただけるかと思います。

  “I get not everybody could do that, “

  「皆それをできるわけではない事は、私は理解できる、」

文章の後半部分

, but everybody’s not us.

の訳ですが、

「、でも皆は私達ではない」

になります。

そ全文の直訳は

I get not everybody could do that, but everybody’s not us.

皆がそれをできるわけじゃない事は理解しますが、皆は私達じゃありません。

となります。

この文が意味する事は、

「それができない人がいるのも分かるけど、私達はそのできない人ではないでしょ?」

ですので、

映画の字幕翻訳が

 

「私達にはできるでしょ?」

 

となっていたんだと思います。

以上、回答・解説になります。

主語を省略する、しないによって「意味」はあんまり変わりませんが、

相手に与える印象は少し変わるかもしれません。

 

英語学習、応援してます。

「英語 倒置 法 |not everybody ~|ルールとニュアンス解説」への1件のフィードバック

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